理系大学院生が統計哲学を学ぶ理由とその意味

生命・化学系大学院生である自分がなぜ統計哲学を学びたいと思ったのか。

 

※自分は決して統計や数学の専門家ではありません。間違っていたらコメントなどお寄せください。

 

論理学と統計的推論は自然科学のあらゆる分野の基礎となっている。自然科学に必要な(人によっては意識する必要はないかもしれないが)演繹論理は数理論理学やウィトゲンシュタインによる論理哲学論考から学ぶことができる。対して、統計学は観測された事象の背後にあるモデルを推定し、自然の法則を見つけ出す。

 

 

高校までの理論的な物理や化学の数式では、論理的推論のみをもとに、さも値が一つに決まるかのように錯覚してしまう。だがしかし経験的事実として、現実に観測される値は一定ではなく、人為的なミス、装置の性能や偶発的な事象、また現象そのものに内包されるばらつきが存在する。これらを記述し背後にある関係を推測するために用いられるのが数理統計学である。また統計学理論物理学に大きな影響を与えており、統計物理学や量子力学も対象のばらつきや確率的な動きを扱う。

 

 

統計学の大枠が統計の教科書を読んだだけでは見えなかった。また統計学の理論に対する違和感が自分には常にあった。統計学の背後にある前提は何か。確率分布とはいったいなんなのか。これらを知り、いくつかの前提にたつことで統計学の使用の際に悩まないようにしたいのである。

 

批判も多いが「統計学を哲学する」(大塚淳著)と「科学と証拠 統計の哲学入門」(エリオットソーバー著)の日本語訳を今度読んでみることにする。